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産業廃棄物を処理委託するときに必要なマニフェストとは
産業廃棄物の処理は、都道府県知事などの許可を得た産業廃棄物処理業者に委託する場合、正しく処理されているかを最後まで見届ける責任があります。(これを「排出事業者責任」といいます。)しかし、産業廃棄物は「自分たちの事業活動によって生じるもの」であるため、すべての廃棄物の処理を見届けるのは現実問題厳しいです。そこで利用されているのが、「マニフェスト」という制度です。ここでは、産業廃棄物の処理委託をする際に必須の「マニフェスト」について、その重要性や運用方法を詳しく解説していきます。
マニフェスト制度とは
「マニフェスト」と聞くと、みなさんは「選挙活動時に政治家が掲げる公約」と思われる方もいらっしゃるかと思います。しかし、廃棄物の処理でいう「マニフェスト」はまったく異なるものとなります。
前述の通り、産業廃棄物は、排出した事業者(以下「排出事業者」という)がすべて責任を持って処分することが法律により決められています。とは言え、専門知識のない企業自らが産業廃棄物の処理を行うことは難しいため、多くの場合は都道府県知事などの許可を得た「産業廃棄物処理業者」に処分を委託することが多いことでしょう。その際、産業廃棄物処理業者へ引き渡した産業廃棄物が、適正に処理されたかどうかの流れを把握し、見届けるための管理票が「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」です。この制度は、法律によって義務付けられています。また、マニフェストは専用用紙を使用する「紙マニフェスト」と、インターネットにて運用ができる「電子マニフェスト」の2種類があります。
マニフェストには、産業廃棄物の処理を委託する際に、産業廃棄物の種類や数量、処理を委託する業者名などを細かく記載するようになっています。尚、マニフェストは、産業廃棄物の運搬業者、産業廃棄物の処分業者などかそれぞれ内容を照合し、各工程の完了後、排出事業者へ返送される仕組みになっています。この制度は、社会問題となっている不法投棄や、不正な処分による環境破壊を防ぐことを目的としています。
マニフェストを記載しないことによるリスク
さて、マニフェストを記載せずに産業廃棄物の処分を委託してしまった場合、排出事業者にはどのようなリスクがあるでしょう。一番に考えられることは、その廃棄物がどこに運ばれて、どこで処分されたのかを把握することができません。万が一、処理委託をした企業が悪質な業者だった場合は、不法投棄をされたり、不正な処分をされてしまったりする恐れもあります。前述のことが発生した場合、処罰等課せられるのは、排出事業者です。こうしたリスクを減らすためにも、全ての産業廃棄物に対してマニフェストの交付が義務づけられています。具体的には、産業廃棄物の種類ごと、行き先(処分場)ごとに交付をする、産業廃棄物を処理業者へ引き渡す際に交付する、処理業者から送付された写しは5年間保存する、などといった内容です。
マニフェストを使用する際はこれらの項目を守る必要があり、これに違反した場合は違反した内容に応じて罰則の対象となります。たとえば、マニフェストを保存する義務を怠ったら、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられるため、違反しないよう十分に注意が必要です。
マニフェストの入手方法
では、産業廃棄物の処理を委託する場合に必須のマニフェストですが、準備方法はどのようすれば良いのでしょうか。以下で、具体的に見ていきましょう。
紙マニフェストを使用する場合
紙マニフェストは、全国の「産業廃棄物協会」が有償で配布しているものを購入して使用するのが一般的です。
処分業者へ直接産業廃棄物が運ばれる際の「直行用」と、産業廃棄物が処分業者にわたされるまでに、区間を区切って複数の運搬業者を経由する際の「積替用」があり、直行用は7枚の複写式、積替用は8枚の複写式になっています。
電子マニフェストを使用する場合
電子マニフェストは、「公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター 情報処理センター」が管理・運用している、パソコンを利用したものです。
これは、産業廃棄物を排出する企業と委託先である収集運搬業者、処分業者の3者が電子マニフェストに加入している場合のみ利用が可能です。電子マニフェストを使用する場合、情報処理センターにおいてマニフェストが保存されているため、企業がマニフェストを5年間保管する必要がありません。
株式会社エコ・エイトでは、産業廃棄物の収集、運搬、処理、リサイクルをワンストップでご提供し、処理されている状態もインターネット上で確認ができるため安心いただけます。産業廃棄物の処理にお困りの際は、株式会社エコ・エイトまでぜひお気軽にお問い合わせください。